オリーブオイルには、「エキストラバージンオリーブオイル」「バージンオリーブオイル」など種類が沢山ありますが、
そのグレードを決定するのに「官能評価」というものが行われます。
ここでは、
オリーブオイルの官能評価の方法を通して、
エキストラバージンオイルがどのように厳選されているのかということをお伝えします。
オリーブオイルの評価方法
オリーブオイルの評価方法は、風味に関する「官能評価」と、「化学分析」の二つがあります。
中でも官能評価は、”IOC方式”と”EU方式” に規定されています。
この評価方法も毎年項目など見直されています。
オリーブオイルが生きている証拠ですね。
この官能評価の中で、もっとも重要視されているのが「風味」です。
これは、「美味しいかどうか」ということではなく、風味の特性や個性・欠点などを客観的に評価するのです。
コンテストなどでは、優劣をつけなければならないので、これに加えてバランスなどの項目が付け加えられるときがあります。
チームリーダーとパネラー
客観的に評価するため、テイスティングは8名~12名のチームで行うと決められています。
このテイスティングをする人たちの事をパネラーと呼ぶのですが、パネラーの経験や知識が豊富な人がリーダーとなり、チームを管轄します。
チームリーダーはオリーブオイルの生産や栽培に関わる知識などもあり、
また、化学分析に必要な知識を有している人が選ばれる場合が多いようです。
チームリーダーは、パネラーを選び、訓練・教育することで育成しながら、
実際のテイスティングでも監督しなければなりません。
また、パネラーの方も、嗅覚や味覚などの厳しい試験を合格した人たちですが、
このチームリーダーの元、継続的な訓練や教育を受けているのです。
テイスティングの環境
集中して公正な評価を行うために、仕切られたブースで一人一人行います。
雑音もなく、無臭、清潔である環境はもちろんのこと、
手を洗うときにも用意された石鹸を利用しなければなりません。
また、パネラー自身も香水やタバコの匂いに気をつけなければならず、
テイスティングの1時間前からはコーヒーやガム、喫煙などを避けなければなりません。
オリーブオイルは未開封の新しい物が使用されます。
コンテストなどで、複数のオリーブオイルを同時に評価する場合は、味を見る順序が影響を及ぼすことを考慮し、テイスティングの順番を変えたり、再チェックなどもします。
尚、味覚の器官の構造上、1回のテイスティングは4つくらいまでが限度となっています。
テイスティングに必要な道具
<グラス>
正式なテイスティングのグラスは、形状や大きさなど全て規定されています。
飲み口が直径5CM、底の直径が3.5CMほどの丸みのある青や茶色のグラスです。
これは、評価において、色での先入観を与えないための配慮です。
また、香りを中に閉じ込めるために、蓋付を使用します。
<ウォーマー>
オリーブオイルを一定の温度で保持するために、IOCに規定されているウォーマーを利用します。
温度は大体28℃が目安となっています。
ただ、ウォーマーのトラブルなどでオリーブオイルが劣化することもあり、
自分の手のひらであたためてテイスティングを行うパネラーの方が圧倒的に多いようです。
<オイル切りの口直し>
次のオイルをテイスティングする前に、口の中をさっぱりさせるために、
水・クラッカー・りんごなどが使用されます。
りんごは噛んだあと吐き出して、クラッカーは少し食べるなどして利用します。
いずれにしても、最後は水で口をすすぎます。
エクストラバージンを厳選するために・・
このように、オリーブオイルのレベルを決定するのには、これだけの環境や人を集めています。
人選びから、容器、場所に至るまで、公平な判断を下すために、それぞれが厳選されているんですね。
オリーブオイルは生物ですから、それだけの繊細さが要求されるんですね。
特にエクストラバージンオリーブオイルとしてレベルを上げるには、
厳しいテストに合格しなければなりません。
なので、テストをする側も、これだけの人や環境が必要になるのです。
これだけの審査をきちんと通過したエクストラバージンオリーブオイルは、
風味も豊かで栄養満点です。
人も手間も関わってますから、
本当に良質のエクストラバージンオリーブオイルが安く手に入るということは残念ながらありえません。
でも、値段相応ですよ。^^
本当に良質のエクストラバージンオリーブオイルは口に含んだだけでふわっと風味が広がります。
ヘルシーで豊かな味わいですから、是非日々の生活に取り入れてみてくださいね。
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