オリーブというと、ギリシャ神話を思い出す方も多いのではないでしょうか?
ここでは、オリーブオイルの歴史と日本での歴史について伝えます。
世界最初のオリーブと発展
ギリシャ神話でのオリーブは有名ではあるものの、
実際にオリーブの樹がどこでどうやって生まれたのかは未だに謎です。
とは言っても、世界最古のオリーブの樹はギリシャのクレタ島というところにあります。樹齢3000年でなんと2本あり、並んでたっているそうです。
ギリシャ文明の源となったのは、ミノア人によるミノア文明なのですが、その文明の礎となったのがオリーブだったようです。
オリーブが豊かな富をもたらしたのですね。
またクレタ島は世界でも有数の長寿の地域なのですが、それは
”オリーブオイルの年間消費量が25kg以上で、世界一”
ということと関係しているかもしれません。
このように、オリーブオイル発祥というとギリシャの印象が強いのですが、
実は、シチリアやイラン北部で6000年前に栽培が始められたというのが現在の定説です。
その後ギリシャに渡り、シチリアを経由してイタリアへ、
同じ頃アフリカを経由して、スペインやポルトガルなどに広がっていきました。
ローマ帝国の拡大とともに、地中海沿岸付近を中心に海上貿易で広がり、重要な産業となっていったのです。
日本におけるオリーブオイルの歴史
では、日本では一体いつどうやってオリーブが持ち込まれたのでしょうか?
現在の定説では、およそ400年前の安土・桃山時代にフランシスコ派の宣教師がオリーブを持ち込んだと言われています。
宣教師から豊臣秀吉への贈り物の中に、オリーブの実が一樽あったそうです。
この頃、ポルトガルからも宣教師によってオリーブオイルが持ち込まれたのですが、「ポルトガルの油」がなまって、「ホルトの油」と呼ばれていました。
そしてオリーブの樹が最初に日本に植えられたのは江戸時代の末期のことです。
林洞海が、フランスより輸入したオリーブの苗を横須賀に植栽し、
その後、佐野常民がイタリアから持ち帰った苗木を東京と和歌山に植栽しています。
明治時代にはフランスから2000本もの苗木が導入され神戸の神戸オリーブ園に植えられました。
このオリーブ園では、2年後にオリーブが結実し、採油して、
日本で初めてのオリーブオイルを製造しています。
明治41年には、缶詰に使用するオイルという目的の為に、
香川、三重、鹿児島で実験的に栽培され、香川(小豆島)だけが栽培に成功し、3年後には、島全体にオリーブオイル栽培が浸透します。
その後、昭和に入って、オリーブオイルの化粧品が拍車をかけて、オリーブオイル栽培は発展していきますが、
輸入や他の栽培への転向などもあり、一時は衰退していきます。
そしてまた、1995年ごろを境に、イタリア料理やオリーブオイルの健康への効果が見直され、産業が盛り返していき、現在に至るのです。
今でも小豆島のオリーブオイルは国産の9割を占める生産量を誇っています。
冒頭で、「最古のオリーブはクレタ島の樹齢3000年」と伝えましたが、
野生のオリーブは樹齢8000年位前からあったと言われています。
ものすごく古いですよね。笑
日本では、世界に比べると比較的新しい産業ですし、
台風や災害の影響もあって、オリーブオイル栽培においてはまだまだ課題を残しています。
世界におけるオリーブオイル栽培も、上記のように歴史は長いですが、
健康への効能なども含めてオリーブオイルの魅力はまだまだ発見されつくされてはいません。
それにしても、随分前から、人々の暮らしを支えてきて、富をもたらしていたのですね。
オリーブオイルを口にする時、下になじむようななぜか懐かしい味がするのは、オリーブと人々の歴史を感じるからかもしれませんね。
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